上からネバフ、サンティアゴ・アティトラン、サンティアゴ・アティトラン、サン・フアン・サカテペケス、ナワラ。
80以上あると言われるグアテマラ先住民の村が持つそれぞれの民族衣装。
同じ村のものでも作り手によって、
その時の流行によって
ベースの色が違ったり、細かな柄が違ったり。
ウィピルと呼ばれるこの民族衣装の上衣は
2つと同じものがない貴重な布です。
これを自ら織り、普段着とする彼らの感性は
人工物に囲まれて、あっという間に流れてしまう時間の中で生活している
私達の想像を超えたもののように感じます。
そして、
こんなにもバリエーション豊かなグアテマラの民族衣装にも共通することが一つ。
それは『不完全であること』
『完全なものは神にしか作れない。』
それを成そうとするのは神に対する冒涜。
だからわざと左右対称に見えて違うように布を織りあげるそうです。
遥か昔、マヤ文明が栄えていた時代から存在していた織物。
石碑に刻まれた織物の女神イシチェル。
今でこそ山岳地帯に定住している
マヤの末裔たちですが、
昔昔はティカル遺跡を中心とする熱帯地域に繁栄していました。
そこに存在したはずの遥か昔の織物は
有機物として分解されて残念ながら今ではほとんど残っていません。
分からないことが多いと言われているグアテマラの織物の歴史。
だからこそ魅力的なのかもしれません。
そんな織物に鋏を入れてしまうのは毎回本当にためらわれますが、
なるべく着古されたウィピルを買い取って、
プロダクトにすることでまた使って貰えるように、
また別の誰かが喜んでくれるように、
そう思いながら商品づくりをしています。