現在全国の書店で発売中の、
毛糸だま 2016春号にilo itooの記事が掲載されています。
取材秘話を少し。
去年11月、
ilo itooグアテマラツアーを無事に終えてお客さんたちを見送った後、
サンティアゴ・アティトラン村のウィピルを取材に行ってきました。
この村は、私たちが工房を持つ村、サン・フアン・ラ・ラグーナ村から
湖を渡りボートで約30分ほどのところにあります。
ilo itooとしては、去年から皆さんに使っていただいている、
刺繍アイテム(バッグやポーチetc)の刺繍をオーダーしているアナ一家が住む村でもあります。
嬉しいことに、毛糸だまへの執筆の機会をいただき、
インタビュー:タカザキ、撮影:オオクボ、通訳:ホセフィーナ という役回りで行ってきました。
(私たちは二人は現地のツトゥヒル語を話せないので、ホセフィーナにスペイン語⇄ツトゥヒル語の通訳をお願いしました)
まずは、メインとなるインタビューのお相手アナ一家の元へ向かいました。
いつから刺繍始めたの?
はじめは誰から習ったの?
どうして鳥の刺繍ばかりしているの?
なんで村のみんな鳥刺繍の衣装ばかり着ているの?
洋服着たいとは思わない? etc….
グアテマラと関わって仕事をするようになって、4年目になりますが
改めて、日本の皆さんを代表して素朴な疑問たくさん投げかけました。
すると、出てくる出てくる面白い答え。
「そうか、そんな深い意味が・・・」 ってことや、
「それ、全然意味なくやってたの・・・?!」 と拍子抜けすることもあり、
彼女たちにインタビューしたことでクリアになったこともあれば、
さらに疑問も湧いてきて、私たちの取材欲は増すばかりでした。
そんな彼女たちの、奥深い手仕事の一部始終を聞いた後、
もっと情報を集めようと、
村の教会や市場、役所を訪ねました。
すると運のいいことに、現在のグアテマラのセンターボス硬貨のモデルにもなった女性を紹介してもらい
インタビューしていると、その女性もまた73歳でまだ現役の刺繍の名手ということが分かり、
素晴らしい作品を見せてもらえました。
また、どこにいるのかも何の情報もなかったのに、
この村の土着宗教とキリスト教が混ざり合って生まれた
”マシモン”と呼ばれる「どんな願いも叶えてくれる神様」にも出会うことができ、
ちょうど儀式をやっている時に入らせてもらいました。
これには私たちも本当にビックリ!!
グアテマラは、用意周到に綿密な段取りを組むよりも、
ある程度ラフに構えている方が、ポロリと嬉しい出会いに恵まれます。
まさにその賜物だった、取材旅。
そしておそらく私たち二人、強運の持ち主なんだと思います。
そんなこんなで、かなり内容の濃かった1泊2日の取材旅。
無事に終えて工房のあるサン・フアンに戻り、
タカザキはすぐさま執筆に入り、
オオクボは撮った写真のセレクトを始めました。
今このブログを読んで初めてilo itooやグアテマラを知った人には、
なんのことやら分からない内容もあったかと思いますが、
毛糸だま 2016春号には、P4にわたって、
グアテマラってどこ?
どんな国?
ウィピルって何?
ということから、
伝統手仕事である手刺繍のこと。
私たちilo itooのものづくり。
現地先住民との関わり方。
なども書いてます。
ぜひ書店の手芸コーナーを訪ねて、毛糸だまをお手にとっていただきたいな、
と思います。
毛糸だま 2016 春号 No.169
2016年2月5日発売 本体1,500円+税
http://www.tezukuritown.com/keitodama/
立ち読み、コチラ
オフショット。オオクボのお気に入り写真。
インタビューが終わり、お昼ご飯中のお茶の間を覗くと
テレノベラと呼ばれるメロドラマを鑑賞中のアナ親子。
メキシコで製作されるテレノベラは、現代の人間関係や恋愛模様・三角関係などが複雑に絡まり
ドロ沼化する人間模様を描くドラマ番組で、やたらグアテマラ国内でも人気の大衆番組。
派手めなメイクで「現代の洋服」を着る「ラディーノ(白人と先住民の混血)」の恋愛模様を描く「スペイン語」のドラマを
「マヤの伝統衣装」を着た「ツトゥヒル語のみ」を話す「親子」がお茶の間で「マジマジ」と見ている様子が
なんとも言えず面白くて、パシャり。
さっきまで、
「私たちはここの村の衣装しか着ないの。」
「自分で作った衣装に誇りを持ってるのよ。」
なんて話していた、誇り高きマヤの末裔二人が
人種も言葉もファッションも生活スタイルも違うメロドラマを
「一体どんな気持ちで見てるんだろ??」
とグアテマラのマヤ不思議はますます募るばかりなのでした。
aya